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松本宙の油画、ドローイング、写真作品の紹介をします。

1998年東京都葛飾区生まれ

2021年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業

［受賞］

・シェル美術賞2017 入選

・第6回星乃珈琲店絵画コンテスト優秀賞

［展示］

・個展「都市の綻び、記憶の綻び」

　2017年 STOODIO SENDAGI(文京区)

・個展「mellow seasons」

　2018年 STOODIO SENDAGI(文京区)

・二人展「waveform」安齊まりな/松本宙

　2019年 STOODIO SENDAGI(文京区)

・個展「sequenced」/トークイベント「団地歩き入門」

　2020年喫茶村田商會(杉並区)

・二人展「waveform 安齊まりな/松本宙」

　2020年飯島商店(神奈川県横須賀市)

長いあいだ空想の街の中を彷徨いつづけていると、現実の景色のなかからその街のデジャヴを得ることがよく起こるようになりました。

これまで、絵を描くときはそれがどこでもない想像の場所で、特定のものを全く連想させないことこそが重要なのだと信じていたのですが、このごろはそれすら果たしてそうなのかと感じています。

ひとりでこの街に移り住んでからというもの、せわしない最寄りのターミナル駅、同じ顔をした建売住宅群、巨大なショッピングモール、そして毎日帰る団地の一室がとても愛おしく思えて、ここが自分の空想の世界だったらと心のどこかで願うようになったのです。

生まれ育った下町とは全く違うその景色に私が強い親しみを感じるのは、それがいつも頭の中にあった空想の世界に似ているからだと気づいたとき、私はこれから何を描くべきなのか途方に暮れながらも、やっと見つけたのだという気持ちに満たされました。

静かに輝いて見える日々の形を丁寧になぞったら、どこへ続いているのか。私はいま、その先にある風景が見たい。

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